『炎の城』60 加藤泰

 『ハムレット』の翻案。尺が短い割に『ハムレット』にはある全体と響き合う細部がなくなっている。

加藤泰の凄さはコンテにあり、左翼的主題にはないと確認。

チャンバラ場面を見ながら、最近の映画のチャンバラとアクション(『隠し砦の三悪人』『のぼうの城』を思い出している)の物量の割に間が抜けた印象と比較する。

結局これも画面作りの問題かな、と。

『グラディエイター』00 リドリー・スコット

つまらなかった。リドリー・スコットの名前がなかったら見なかった。
欠点のない主人公、ヒロインも敵も魅力がない。シチュエーションはしばしば類型的である。ラストの対決は、敵の皇帝があまり強そうに見えない(一応前半で、皇帝が剣のトレーニングをしているシーンで前振りにはしているが)からさっぱり盛り上がらない。
とくに奴隷であるグラディエイター達や、劣等感に苛まれる皇帝にシズル感がなく、表面的に終わっているのは致命的だ。血ドバッ、皇帝は姉を犯す、とやるべきだった。
リドリー・スコットって脚本は手堅い準備をする人じゃなかったか?