2016-01-01から1年間の記事一覧

『アメリカン・ビューティ』99 サム・メンデス

中年男は、恋い焦がれていたチア・ガールが自分と同じくアメリカ的な強さのイメージ(=アメリカン・ビューティ)を装っていたと気がついた時、自分がそれと同じものに囚われていたことに気付き、我に返る。

『この世界の片隅で』16 片渕須直

面白いのは確かだけれど、やや「判じ物」的な表現に陥ってしまっているような。 ただ深読みしたくなる部分を追わずに適度にとどめて、その適度なレベルを作者が想定して作っていると見ることもできる。描写の表面だけ見ているとわからない部分が多いので、ど…

◎『ゴールデン・スランバー』劇団キャラメルボックス @池袋サンシャイン劇場 TV放映作品の古臭いベタぶりにチケットを転売しようと思ったが時間切れ。途中退出も覚悟しながら見始めるが、幸いにして悪くはない作品だった。 テーマ性や情感を適度かつ的確に…

◎『ウルトラマリンブルー・クリスマス』演劇集団キャラメル・ボックス(作/演出 成井豊)2013 TV放映にて 名前から連想していた作風とは大分違った。人情物がお得意なんだろうか? 多数の場面転換がまるで気にならないのは凄いといえば凄い。 濃厚な70年〜80…

『手紙』06 生野慈朗

山田孝之の漫才にテンポが欲しかった。そこは演技の力の入れ所でしょう。

『トップガン』86 トニー・スコット

展開はベタながら、セリフは結構いい。 一箇所気になったのが、相棒を訓練中の事故で亡くし、エリートの彼女にも去られた主人公が救いを求めて上官の自宅に行く。そこで若い短パンタンクトップの上官の娘に一瞬視線を奪われる。意図的な演出である証拠には、…

『インランド・エンパイア』07 デビット・リンチ

『バクマン』14大根仁

後半は予想通り主人公の入院をピークに持ってきたが、ヒロインとの恋愛エピソードの結末を含めていかにも原作の一部で形を整えただけだったのは残念。 大根さん、女の子を可愛く撮る才能には本当に恵まれていて器用な人。

『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』71 ハル・アシュビー

ナチ収容所、反軍思想、人格障害的な犯罪性癖の肯定、反エスタブリッシュメント、ヒッピー思想、ニューエイジ…と古びて幼稚な時代色に半ば引いて見ていたが、ラストで老婆の潔すぎるほどの自裁、その死からむしろある力をもらって独り歩き出す少年に心を動か…

・舞台『愛と希望の先』月刊根本宗子第13号 TVにて 素直にシンプルに演劇を作っている。下手に売れている誰かの真似をしている感じがない。 このままあまり抽象化されていない生身の感覚で作り続けるときついだろうが、明らかに才気のある人なので、どんど…

『雨あがる』99 小泉堯史

『ハンナ・アーレント』13 マルガレーテ・フォン・トロータ

「凡庸なbanal」人物アイヒマンは政府の実直な一員としてユダヤ人の虐殺に加担する。 それを指摘したアーレントは、「ナチを擁護するのか」「傲慢だ」と「凡庸」に物を見る人々から指弾される。 蓮實重彦先生がいう「凡庸」のルーツはここか。

『神は死んだのか』14シェーン・ハーパー

新入生が哲学教授を論破する。しかし論戦がどうにも杜撰。 最後は死者も癌患者も皆さん救われる。 キリスト教団体がお金を出して作ったんだろうな。

『眠狂四郎無頼剣』66監督:三隅研次 脚本:伊藤大輔

上映時間が短く、説明ゼリフで省略されるところがある。複雑な人物関係が腑に落ちづらい。スケジュール逼迫で無理やり仕上げ、それが撮影後半さらにひどくなったようで、カット割りを諦めて無理やりロングの長回しで済ませているところがある。 ラストの立ち…

『資金源強奪』75 深作欣二

細部は荒いが、その分展開は早い。 日本映画にこんなに爽やかに悪党がハッピーエンドで終わる映画があったとは。

『三里塚に生きる<特別編集版>』14 大津幸四郎/代島治彦

『ゴジラ』<ハリウッド版>14 ギャレス・エドワーズ

造形はかなり良い。ゴジラの鳴き声始め怪獣の音にもこだわっていたはずだが、家で吹き替え版だったので味わえなかったのは残念。 しかし、日本性のメロドラマのような類型的でご都合主義的な展開には白ける。穴がやたらと多くて、ヒットして続編まで作られた…

『FAKE』16 森達也

『野いちご』57 イングマール・ベルイマン

今更見てます。。。

『イングリッシュ・ペイシャント』96 アンソニー・ミンゲラ

現在と交互に語られる「患者」の回想が、今看病されている環境やその周囲の人々とどういう関係にあるのかが最後までわからない。最後まで見た結論としては、演出として単に並列して提示していたということらしいが、現在との関わりが不明確だと戸惑う。 最初…

『英国王のスピーチ』10 トム・フーパー

初の演説での成功が対ヒトラーへの開戦演説という史実の改変がなかったとするとこれほど感動的にはならなかっただろう。 人物のアップをやたらと画面の中心からずらすのはカメラを意識させてよろしくない。

『晩春<デジタル修復版>』50 小津安二郎

デジタル修復って素晴らしい。これから劣化が進んでいる傑作のフィルム(概ね90年くらいまで?)は修復されて、僕らが名画座で見ていた以上、場合によっては封切り以上の画質で見ることが可能になる。

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』11 フィリダ・ロイド

個人史とくに夫とのすれ違いと政治家キャリアをよじり合わせてドラマを作りたかったようなのだが、目指しているところが見えない。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』05 ジョージ・ルーカス

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』02

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』99 

『ジェダイの帰還』83 リチャード・マーカンド

初めて。実は見ていなかった。 ただ見逃して困ったことはあまりなかった。(時々人の話についていけないことはありましたが…。) 特撮効果に酔いしれる時期はあっという間に過ぎ去っていた。さらに、80年の夏は相米慎二『翔んだカップル』に狂っていて『帝国…

『スターウォーズ 帝国の逆襲』80 アーヴィン・カーシュナー

『ドキュメンタリーは嘘をつく』05 森達也(テレビ東京)

この人がウケるのは、映画やドキュメンタリーやジャーナリズムについて深く考えたことはないが、ある種の問題意識を持っている知的な層には、斬新に見えるところだろう。 しかし似たような虚と実の狭間をテーマにした作品で、もっと面白い作品は何本もあるし…

『リンカーン』12 スティーブン・スピルバーグ