2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ライク・サムワン・イン・ラブ』12 アッバス・キアロスタミ

「一杯のコーヒーから(コーヒーを発端にして)映画は作れる」というジャン・ルノアールの言葉は素直に頷こうとして、どこかでそんな適当に作った物語が本当に面白いものか?と反発も覚えてしまう。 しかしこの映画を見ればやはり正しい。是枝裕和の映画がと…

『ゾディアック』07 デビット・フィンチャー

フィンチャーって作家性があるような無いような。 『ソーシャル・ネットワーク』と比較してみると、作品内事実の不確定性が現実の不確定性に似ていて、そこにリアリティを見ている。

『クヒオ大佐』09 吉田大八

『アウトレイジビヨンド』12 北野武

演出で工夫しているようだが、ケレン味を目指しているのかリアリティを目指しているのか、バランスが崩れている。 工夫の割に単調なのか、それと単調が分かっているから工夫するのか。この単調さは叙事的な感触を狙っているのだろうが、ヤクザ映画との相性は…

『空気人形』09 是枝裕和

観念が託されているらしいが、その観念が分からない。わかったところで、それがあまり重要なものとも思えない。人々や街の点景を音楽で説明する、抽象的な情緒の不快感。

『Stand By Me ドラえもん』14 山崎貴・八木竜一

ドラえもん原作漫画初期を総集するプロット。 子供の依存心を満足させるファンタジーに最後まで乗れず。のび太にまるで感情移入も出来ずにいて気付いたが、のび太ってハリウッド式脚本術でいう「ヒーローズ・ジャーニー」をしない主人公なんだね。それゆえ成…

『クラッシュ』04 ポール・ハギス

悪い意味で脚本家の撮った映画。プロットもドラマもあれど映画がない。

『誰も知らない』03 是枝裕和

なぜ是枝裕和がダメで、しかしなぜこれが世間に受けているのかと考えながら見ている。 全般にそれなりに良く出来たネタを曖昧な情緒の映像と音とでダメにしている印象。その曖昧さが斬新さに思えるんだろうが、何本か見たら飽きるでしょ?そう思わないのは余…

『白いリボン』09 ミヒャエル・ハネケ

ハネケ作品は『ファニー・ゲーム』から2本目。オーストリアの古き良き田園風景の中に暮らす、すぐそこに近づいた巨悪=世界大戦を知らない村人たちが、名士から子供に至るまでいかに悪徳にまみれているか。『三丁目の夕日』のような「良い昔」を見ていると…

『ネゴシエイター』97

交渉人というネタに惹かれて見始めたが、掴みの事件を見たら知的・心理的に事件を解決するのではなく単に口が立って優秀に悪を退治するだけで、プライベートの三枚目ぶりも含めてエディ・マーフィのレパートリーの範囲内の役柄。大学出たてのエリート新人を…

『ボディ・ダブル』84 ブライアン・デ・パルマ

ネットで見ると真面目にヒッチコックにオマージュを捧げようとしていると解釈している評が上がってきたんだが、パロディのお遊びでちょっとエロ入れて気楽に撮ろう、辻褄はそこそこで良い、じゃないの? 主人公が追っかけている隣の家の美女は知り合ったばか…