2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『もらとりあむタマ子』13 山本敦弘

四畳半系かと前半で見るのを止めかけたけれど、「モラトリアム」を鬱屈ではなく充実した停滞としてとらえた作品の意図が過不足なく気持よく、最後まで見た。『リンダリンダ』はどこかギクシャクしていたけれど山本監督洗練されてきたなあ。 ラストのワンカッ…

『ゼロ・ダーク・サーティー』12 キャサリン・ビグロー

『アルゴ』もそうだったが、現代史映画(現代実録映画)が「考えさせる」で終わって、映画としてあるいは物語として「どこか」につれていってくれない場合がある。『ハート・ロッカー』良かったけれど。 実話にこだわり過ぎるせいか展開がいくぶん単調でスジ…

『ハムレット』48 ローレンス・オリヴィエ

舞台出身のオリヴィエ、意外にも長回しでのカメラ内編集がうまい。考えようによっては舞台の演出とは視線の誘導でもあるから、切れ目なく視線の向かうポイントを提示していくことは得意なのかもしれない。

『そして父になる』13 是枝裕和

前半スリリング。しかし子供を交換してから、エリートの父は庶民派の父の味わいにあっさり図式的に膝を屈する。そこから両夫婦が「産みの子」より「育ての子」を選ぶことはどう繋がるのかが疑問。(とくに庶民派夫婦が産みの子を手放して再度育ての子を選び…