『バトルロワイヤル』00 深作欣二

Netflixの体験契約期間が今日切れるので、無料作品の一本としてチョイス。
初見。前半だけきちんと見て、後半は流す。


メッセージが「大人を信じるな」はいかにも深作さんらしい、遺作らしい遺作(厳密に言えば「2」が遺作)だ。深作さんって最後まで成熟しなかったんだなあ。
今の僕にはそれが良いこととは思えない。
作家としては「仁義なき戦い」でエッセンスを出し尽くしてしまったのだろう。ある意味幸福な監督人生を送った人ではある。
しかし大人として成功した後に語る言葉として「大人を信じるな」は、社会に対して当事者性を失って「評論家」になってしまっていないだろうか?


「1人生き残るまで」と最初にアナウンスされたのにあっさり集団ができてしまったり、バトルやセリフの定型性など、細部の荒さはやはり気にかかったな。
前田亜希がこんなに可愛い子だったのにも驚いた。もっと売れてもおかしくなかったと思うが、「アイドル冬の時代」だったせい?

『怒り』16 李相日

前半、逃亡犯と疑われる3人の人物と彼らと出会った人々の交流の日々を悠々としたテンポで伝えてくる。2時間超の尺ならではの語り口で、この監督すごく上手くなっている。
しかし終盤、『悪人』でも同じ問題があったが、脚本も兼ねている監督が自らを(あるいは、自らの観念の限界を)乗り越えようとして強引になる。登場人物を時に作家の観念の木偶にし、時に画面やプロットの展開の木偶としてしまう。
まあでも、演技陣みんな良いしねえ。

『髑髏城の七人〜アカドクロ』04 劇団☆新感線

新感線作品がHDに何本も溜まっていて、チェックしなければと思いつつ長年経っていた。
昔の時代劇・テレビ・漫画の定型表現を新しいデコレーションで見せている商業演劇ではないか。ドラマの薄さをアクションで埋めている。
さっさと消せば良かった…