通し稽古

徹夜で午前中のバイトを終えてから、睡眠浅く1時間半取って、劇団の稽古へ。
眠気をだんだんに忘れる。
やはり寝ないくらいは平気なのだ。


通し稽古は一本の芝居全体を本番と同じ流れで演じる。たとえ途中で何かアクシデントがあっても役者の力で対応しつつ芝居を結末まで持っていく。
今日は(僕が立ち会った限りでは)五回目の通し稽古だった。そして、劇団史上初めて役者のミスで稽古中断となった日となった。
笑わないと設定されている役の役者が声を上げて笑ってしまい、止められなくなったのだ。
主宰は通し稽古をストップし、笑った若い役者をその場で激烈に叱り飛ばした。
物語上の一つのキーポイントになっている設定が機能しなくなり、その破綻はほぼ芝居全体の破綻でもあったのだ。


今一つ不可解なのは、役者が笑う原因となった他の役者の舞台上の「遊び」が声を上げて笑う程は面白くなかったこと。
僕はその演技(アドリブ?)を観ていて演出部の立場としてふと笑ってしまったのだが、その直後に役者達が笑いを止められなくなった原因がそれだとは思わず、反省会で後から聞いて確認し、しばし考え込んだ。
指を3本見せて「1千万円!」ってそこまで可笑しく無いよなあ。
笑った役者の他に、会話相手の役者が二人居て、二人とも設定を離れて笑っていた。3人とも真面目で有能な役者達なのに。
シリアスなシーンで、顔を見合わせているうちに相乗効果でハマったといえばそうなのだろうが、芝居の存立を支えているボーダーラインの緊張感を崩す程に笑うネタがこれというのはアンバランスではないか。
集団が一つの意志に基づいて流れている時、人に魔が刺す瞬間があるように集団に魔が刺す瞬間もあるのではないか。皆疲れていたし。
もちろん、ミスは良く無い。言い訳はいい訳がない。(by ZIPS)


ラピュタ阿佐ヶ谷での『車夫遊侠伝・喧嘩辰』の上映は昨日までだった。
19年ぶりにこの傑作を観られる機会を逸した。。。
元を正せば全て自分のスケジューリングの甘さが原因。。。