スリラーズ

かつてはその語り口の上手さ(=目立たない演出)を楽しみ、今回もその印象は変わらないのだが、駄作『バーバー』を観た後だとつい粗を探していた。

コンビで語られることが多いこの2本。よく似ていそうで実は雪と犯罪絡みということくらしいか似ていない。並べてみると、上手さに感じられていた『ファーゴ』のひねりが鼻についてくる。平穏な市民が犯罪の金を横取りしようとして深みにはまっていくという自分のプロットとのあまりの相似、そしてこのハリウッド映画の数年に一本というあまりに完璧な作劇に考え込む。もっと捻らんと猿真似になる。