「この夏がいつまでも続けばいいのに」
◯「ドラゴン桜 13」
高田馬場のラーメン屋。
生徒に勧められて行ってなかったので、これも食事療法開始前に行っておくことにした。
最近行ってないけれど、20代は本当に世話になった街。とくに前半。
座椅子で見るマニアックな映画館やらスポーツセンターやら古書店街やら僕の趣味のストライクゾーンが揃っている上に、中学の頃から馬場やら早稲田やらという街の雰囲気に惹かれていたこともあり、しょっちゅうぶらぶらしていた。
東京を謳歌していた、ともいえるか。
殆ど何もやる気にならなかった時期だからぶらぶらするしか無かったのだが、そのぶらぶら出来る自由さに力を貰った。良い事ばかり思い出してしまう。

「湯けむりスナイパー」(狩撫麻礼原作)一気に読了。途中で加速。
連載時のページ数が少なすぎて、読みきりのエピソードが食い足りないのだが、登場人物が出揃った後の「群衆劇」というか「地域劇」みたいなものになってからはすっかりはまり込む。(しかし登場人物が出揃うのに連載開始から2〜3年かかってるぞ。大河ドラマ以上の期間タメを続けていた訳だ。)
元殺し屋の旅館従業員、自給自足の農家暮らしをする元ストリッパー、海の家を祖母から受け継いだ10代のシングルマザーとその幼い娘、歌手を目指す純朴な旅館の仲居、山奥に隠れ住む松茸取りと野鳥採取の名人の異形の男、独身の美人女将、気の良い老人の番頭…
夏の海の家に集まった人々は、奇跡的な組み合わせで起った偶然のような、しかし闇をくぐり抜けた人々に与えられた運命的な邂逅のような、そんな幸福の中にいる。
海や花火や氷イチゴを前にして、元ストリッパーは「あたしの人生にこんな瞬間が訪れるなんて」、元殺し屋は「この夏がいつまでも続けばいいのに」と心の中で呟く。

はぐれ物を中心に集まった人々に訪れる「地の果て至上の時」。狩撫ものでは「ボーダー」と「天使派リョウ」系。
アフォリズム健在。