『新幹線大爆破』72 佐藤純彌

細部とくに警察や新幹線の安全対策組織の言動が荒くてリアリティがない。行動の倫理が素人集団。
爆破の可能性を否定しきれない新幹線を過疎地帯で停止させたこと、そして新幹線救出のニュースを犯人逮捕のため遅らせること、その2つに良心の呵責を感じる宇津井健のナイーブさは当時の観客にとってはとくに違和感が無かったんだろう。
鉄道パニックはもちろん、パニックもの自体が新鮮な時期だろうから、斬新さが受けておかしくはない。
いずれも今の時代には通用はしない。

てっきり笠原和夫脚本だと思っていたら監督が書いていた。
いくつか作品を見るとあからさまではないが反政府的なものを匂わせ、一方で『未完の大局』で中国と手を組んでいる佐藤純彌さんって…その人が『野性の証明』を作ったんだよなあ。