『白ゆき姫殺人事件』14 中村義洋

芥川の『藪の中』であり、黒澤映画の『羅生門』。その面白さはある。
井上真央を被疑者役にした時点で主役として感情のピークを担うことになり、ラストで再生の場面を入れてきたのだろう。しかし昔いじめを救った同級生に昔の懐かしい行動で救われるいうのはあまりに陳腐。綾野剛のチャラ男を主役とみなして、彼が真犯人に気づいてしまい対決する場面がピーク、そのショックの上に作ったスクープ番組やネットで個人の情報を漏れさせた苦い経験に落ち込み、そこから復活の予兆を匂わせるという展開の方が展開としては良かったんじゃないか。
その場合、井上真央が出てもらえなくなるだろうか…