『ドキュメンタリーは嘘をつく』05 森達也(テレビ東京)

この人がウケるのは、映画やドキュメンタリーやジャーナリズムについて深く考えたことはないが、ある種の問題意識を持っている知的な層には、斬新に見えるところだろう。
しかし似たような虚と実の狭間をテーマにした作品で、もっと面白い作品は何本もあるし、何よりこういうテーマはドキュメンタリーの歴史の始まりからつきまとっている古くて新しい物であり、それが特に深められもしないので劇中のフェイクの会話もネタバラシも退屈なものでしかなかった。
ほぼ予想通りの展開。
フェイクからネタバラシへの移行、「じゃあ今から冒頭の場面撮影しましょう」というセリフ、そのあたりの演出だけは洒落ててカッコ良かったけれど。