初日

例によって目覚まし時計を待たずして目が醒め、まだ時間はあるのだからと横になってうとうとしても数分経たずにすぐに起きることの繰り返し。何とも効率が悪い。ベッドの近くに時計がないから一回一回ビデオデッキに確認に行く。寝たいのだか寝たくないのだかもよく分からない。
半覚醒で見る夢は今日の課題が実際よりひどく複雑化したものだった。プレッシャーに苦しんだという訳ではなく、本当はここまでやらなくても良いんだよなとすぐに気付いて冷静に夢と関わっていた。


リーディング初日。
自分が劇場公演の演出をする。
想像したことがなくもないが、あまりリアリティを感じていなかった。


芝居版から続けてみてくれた人もいて、客席は適度に埋まった。
20時開演。昼にやったゲネプロで見えていた問題の多くが解決されて、さほど大きなミスもなく、十分に商品になっている、と上機嫌で終える。


劇場退出準備をしている俳優二人の顔が暗い。主に男優の方が女優にダメを出しているのだが、内容を聞くとそれなりにごもっともながら、僕が気にならないとして片付けた多くの細部のミスにこだわっている。自分なりに確信はあるので、二人を慰めるが、この演出家はあいにくと十全に信頼するに値しないので、あまり通じない。
黙っている人とぼちぼち褒める人。
作家ってやはり絶賛されないと嬉しくないものだったか。そうかもしれん。


帰りはデニーズでチョコケーキとバニラアイスのセット。チーズケーキの方が旨い。