■
- 『噂の女』54 溝口健二
ジャン・ドゥーシェは溝口を小津より偉大だといい、淀川長治は溝口の人間洞察に比べたら小津の作品は子供っぽいと言っていた。
人間をまるごとばくりと映した小津の方が偉い、と僕は思う。
もちろん『噂の女』は面白く、この特集上映相当人が入っているのは喜ばしいかぎりですが。
「民主主義とは全員を説得しないことである。反対者は常に居るのが当然である。
それを許さないのは全体主義である。
民主主義政体では、選挙で選ばれた国会や首長が、少数の反対意見を無視できる。
それらの物を説得するのではなく無視することによって政策が進むのである。<中略>
(戦争が良くないだけでなく、自動車がよくない理由・電気がよくない理由すら人はいくらでもあげることが出来る。)
オピニオン(異論)をいくら集めても、競争力は向上しない。<中略>
「相場について他人と議論すべからず」ーと、昔の株式売買では言ったそうである。
人それぞれ意見が違うから、売りと買いがあり、相場が成立し、上げと下げがある。相場が生まれて初めて見込みの正しさが判明するのみだと。
この相場が議会になったのが民主主義である。
民主主義では、少数意見は少数意見なりに尊重されるが、多数意見に心から同意するようには求められない。
それを求めるのは全体主義である。」兵頭二十八(「ニッポン核武装再論」よりF-Iが紗録。)
◯「ドラゴン桜 15巻」三田紀房
他の受験本の子引きネタが多く、それも情報の精度としてはまあまあといったところで、この巻今イチ。