午前中。
第一志望の都心の名門進学校に合格とのメール、お母さんより。
この子は将来エリートでしょう。順当。


午後6時。
翌日の試験に向けて志望校対策をして3時間経ち、ああ午前の試験のインターネット発表の時間だ、とネットに繋いで本人に確認させてみたら、番号があるではないか。
その子の家から電車で10分程で行ける私大付属の第一志望は、模試での偏差値からも、そして試験準備も結果発表確認も親任せで意に介さない淡々とした本人のキャラからも、ダメもとで目指していたレベルの学校で、お父さんが仕事で不在なのは仕方ないとしても、お母さんまで発表時刻に買い物と妹の習い事のお迎えに行っているという期待の薄さ。僕も受験が続くものと、この子の明日と明後日の直前対策のために時間を空けていた。
電話に出たお母さんに「何んでここにいらっしゃらないんですか?」と突っ込む。
人の合格発表の瞬間に居合せたのは初めてだな。
その場で授業が終わりその子の受験も終わる。
常に淡々とした本人も、さすがに淡々が中断してニコニコ笑っていた。