これ程のファーストショットを人は人生で何度見れるだろう。ビリヤードをプレイする若者達の中、その目線から、彼女がとくに一人の男に心を奪われていることが分かる。「煙が目にしみる」をバックに、カメラは中心となる二人と他のプレイヤー達の動作、そしてキューとボールの動きにゆっくりと合わせながら、ビリヤード台の周囲をさまよっていく。頭がクラクラし期待感で震えた。
そして、オムニバス第一部は期待どおりなれど、第二部・第三部ではテンションが落ちるのだった。
ううむ、まだ冒険し続けるか、侯孝賢。でもこの冒険に出口はあるのか?
(誤解しないでもらいたいが、二部・三部も普通の映画のレベルは遥かに超えている。時間が経ったら、また観ることになるだろう。)

ソクーロフが日本の右翼の大物と会談して撮影の了解を取ったという話を3〜4年前に聞いていたが、その右翼はこのエキセントリックな言動でひたすら小心なだけの昭和天皇像を見て怒り狂ってはいないのだろうか?
天皇の側近や閣僚もただ矮小で、露骨に国辱映画。


◯「「親力」診断テスト」親野智可等
◯「催眠術のかけ方」林貞年