シモキタ

何度が住みたい街について書いたが、下北沢は住みたい街のベスト3には常に入っている。
ただし、小金があることと、(自分の)食事の制限が無くなっていること、という条件が付くが。その二つがクリアされていないと逆に欲望ばかり刺激されてストレスが溜まるかも。


たまたま予定が2日続き、今日も天才俳優Kさんと道連れで、下北沢で芝居見る。
総じて役者さんのレベルは高い。ホンも小劇場にしては達者。一言批判するとすれば世界観がテレビドラマの範囲にある。
モチーフになっている「中学受験生(小6)が質問したつるかめ算の問題」への解答が文字を使った連立一次方程式になっているのだが、これは実は劇の設定においては答えとならない。小学校では文部省の指導要綱に入っておらず、塾でも教えていないのだ。こんな解説をされた小6はそもそも方程式の概念も把握出来ず、キョトンとするだろう。もっとも、質問が書かれた手紙が海に流されたのは10年前で、質問した本人はもう解答を使わないのだから別に矛盾は生じないのだが。こういう指摘をしても、作者側は誤りを徹底的に排除するか、現行で行くかの選択を求められて、結局公演が始まった後で重要で量のあるセリフは変更が難しいという結論になるのは目に見えていた。余計なストレスをスタッフに与えないように、アンケートにも書かなかった。
挨拶に出てきてくれた女優は二晩くらい徹夜したような疲労とストレスが滲んでいて、心配になるが「心配」と声をかけるのも躊躇われるくらいの様子。原因は不明。


終演後、劇中で頻繁に飲まれるアイスコーヒーが旨そうで飲みたくなった、とKさんがいうので、跳び込みでビル屋上のアジアン・カフェへ。突き出しまでついてくる、2人で2100円のアイスコーヒー。とはいえ、廃材を組み合わせて色縫った屋上の掘ったて小屋は見事な風情で、場所代と見なす。
お洒落なKさんの解説を聞きながら下北の店をいくつか覗く。


  • 『オープニングナイト』78 ジョン・キャサヴェテス
  • 『犬猫』04 井口奈美