学生ドキュメンタリー×4

  • 『Go! Go! fanta-G』01 清水浩之

カメラを持った息子が表面上は日常の家族風景や雑談を撮影するふりをしながら、裏では父親を嘲弄するドキュメンタリーを作る。父親の言動は、息子の意図に沿って恣意的に解釈され編集されている。
父親が「新しい歴史教科書」の支持者、息子は「サヨク」。(漢字の「左翼」を名乗るほどの思想性の持ち主でないことは、深夜テレビ的な甘々のお遊び精神でテロップ入れや編集がなされていることから判断出来る。)ただし、僕はこの父子の立場が逆であったとしてもこの監督を批判する。
この監督の倫理性に関する議論はされてきたのだろうか?あまりに幼稚な態度ではないか。

  • 『ナリタ、裸の王様』01 藤本美津子

拙い面は多々あれど、自分の実感から作品を手探りする(失礼ながら)中年のおばちゃんの姿には好感を持つ。

  • 靖国で会った人たち』03 藤森久嗣

靖国に集まる人々を透明に記録する。
作者が何を考えているのか分からない、というのが逆説的に凄い。

  • 『ヒノサト』02 飯岡幸子

やはり、何かを好きということは、それだけで価値を生み出してしまうのだろうか。
祖父のかつて暮らした地方の都市の点景集。カメラと録音の力。

  • 『あはは おほほ』03 田村一郎

芸人が題材でこの端正なカメラというのも面白い。