『デカローグ』とか『トリコロール』しか知らないからかなり以外な前歴。共産主義と個人の相克を見せるドキュメンタリー。ただし(そういう解説は無かったけれど)どちらもフェイク・ドキュメンタリー。

  • 『LEFT ALONE 1』04 
  • 『LEFT ALONE 2』04 ともに井土紀州

スガ秀実をニューレフトの典型と見なしてよいのだろうか?
だとしたらニューレフトとは、結局国家なり社会なりの理想を示すこともなく、資本主義/自由主義の恩恵を受けながら無駄なまでに細部にこだわったお喋りを続ける生産性の乏しい人間に過ぎない。今の政治上の左翼勢力よりさらに実効性を忘れていて質が悪い。
スガ個人には莫大な知識があるのが確かなのだが、無駄な使い方をしている。
スガに随伴した井土紀州は間違いなくスガの側に立って作っている。しかし、ここに映されたスガはどうにも醜く見えてしまう。
つまり、20世紀後半が産んだとあるアブクのような人(または人々)の記録としては正確なものとなっている。
後世この時代が忘れ去られた時また共産主義やカルトの中から同種の人間が出現し、時代が繰り返しているという明白な証拠となるのだろう。